酒とアート、飲むと観るでノミルです

オートリバース

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正月早々飲み過ぎて、しこたま飲んで案の定というか二日酔いになり嘔吐(リバース)してグロッキーです。
今年の正月休みらしい休みは1日しかなく、そのうちの半日が二日酔いだったため実質(自業自得で)半日休みになってしまいました…。

オートリバースといえばカセットテープを思い出します。カセットテープデッキにはオートリバースという機能が付いていて、テープが最後まで行き着くと、自動的に巻き戻しをしてくれていたのです。もはや巻き戻しという名前も死語になってしまいした。音楽を聞く機器といえば、今ではiPhone。その前はiPod、その前はMD、その前はCDで、その前がカセットテープにあたる訳ですから随分と過去の異物ようです。でも僕は大学にいたころ00年代の中期あたりまで使っていました。といってももう11年ほど前ですが…。

カセットテープの特徴といえば、手軽に録音ができることでしょう。80年代から90年代の若者たちは、好きな音楽のCDをCDラジカセというデッキで、1曲ずつ再生と録音のスイッチを同時押ししながら録音し、オリジナルのコンピレーション・アルバムを作り、友人に聞かせたり、ドライブのときに聞いていたのです。いまでいうマイリストのようなものですね。
そういう音楽をダビングすることにも長けていたカセットテープですが、手軽に環境音を録音できるというのも魅力でした。大学2回生のときに風景写真の作品を作っていた僕は、写真を撮るように環境音を録った作品を作ってみたくなり、ヨドバシカメラでポータブルのカセットテープデッキ(たしか今はなきAIWA製)と小さなマイクを購入し、梅田の街に出て様々な環境音を熱心に集めていました。それも元旦の日からです。(暇だったのですね)

車が走り去る音や、ふみきりの音、噴水の音、電車が発着するときのチャイム、飛行機が上空を通過するときの音。正月の日常と違った慌ただしさに満ちた梅田の街を、浪人生にしか見えない紺色のダッフルコートを着て一人でイヤホンとマイクを携えて、うろうろしていたのです。環境音を録るというと、ちょっと専門的なイメージを浮かべるかもしれませんが、当時はズブの素人(いまでもですが)、録音機器はひ弱なカセットテープデッキでしかも一人。録音している最中は集中しているからいいですが、移動中となると段々寂しくなる。しかも元旦。人気のない夕暮れのオフィス街をトボトボ歩いていると自分は何をやっているんだろう、という気になります。寂しくなって、コンビニに行って食べたくもない肉まんを買って、その肉まんを公園のベンチで鳩に囲まれながら震えながら食べたりして、寂しさを紛らわしているはずが余計に寂しくなったりしたことをふと思い出しました。作品制作とは孤独との戦いなのだと、そのとき実感したのです。後にその孤独は、他の人達が抱えている孤独とは少し種類が違うことに気がつくのですが、そのときは冷たいベンチでおお尻を冷やしながら、これが孤独との戦いか、と鳩を見つめながら思ったものです。

あれから11年、やっていることは多種多様になりましたが、基本的な姿勢は変わっていません。いま、この面白おかしい心温まる大爆笑ブログを書いている状況はといえば、誰もいない寒々しい部屋でパソコンの前に置かれた缶ビールの空き缶を虚ろな目で見つめながら書いている訳です。これを孤独と言わず、なんというのか。「孤独を歩め。悪を為さず。林の中の象のように」です。

ということで、今年も悪を為さないように気張っていくつもりです。

夜露死苦!

2016-01-05 | Posted in danpen

ライター紹介

西出 元

Nomiru ディレクター、撮影、イラスト、会議中に腹が減ったと晩御飯へと促すことを主に担当。企画が進まない原因の一人。
ディズニーランドとUSJに行ったことがなく、それに対する憧れが高まっていき、ハードルが上がりすぎて逆に行けなくなっているが最近の悩み。
好きなお酒は辛口の冷酒。好きな肴は白子ポン酢。


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