酒とアート、飲むと観るでノミルです

特別編 夢と魔法と行列の王国 その1

IMG_2817

 

以前、このブログでディズニーランドに訪れたことがないと書いたことがあり、それがきっかけになったかどうかは分からないけど友人たちとディズニーランドに行くことになった。(書いてみるもんである)そのときにも書いたかもしれないけれど、僕はミッキーを始めとするディズニーのキャラクターが特別好きな訳でもないけど、かといって嫌いという訳でもない。ディズニーのアニメーションはそこそこ(全てではない)観てる訳だし、ディズニーランドに行く資格というものがあるとするならば、一応、あると思う。ただ、行くチャンスが今までの人生の中でも一度もなかっただけだ。なので、行かないのではなく、ただただ行かなかっただけだ。でも、人生は何が起きるか分からない。ディズニーランドに行く機会というものだって、このように唐突に現れたりする。これから先も唐突に経験したことがないことに出くわすことも度々あるのだろうと思う。

ところで僕は京都に住んでいて、ディズニーランドは東京というか千葉にある。よって、ディズニーランドに訪れようとするならば前日の夜に東京近郊で宿泊するか、夜行バスに乗って行くか(関西のみならず、関東以外の地方には東京ディズニーランド行きの夜行バスというのが必ず存在する)、早朝の新幹線で出発するしかない。安く行こうと思うなら断然、夜行バスである。格安の夜行バスで京都からディズニーランドまで行くならば4000円前後でいけるのではないだろうか。僕も若かったら夜行バスで行っていたかもしれないけれど、30代のオトナだし、前日まで仕事をしていたので、早朝6時出発の新幹線に乗っていくことにした。
といっても、僕は新幹線に乗ってどこか行く機会がほとんど無い。一年に1度か2度あればいいほうだ。(去年はたまたま北陸新幹線に乗る機会があったけど)なので、新幹線という乗り物に乗車するたびにその速さを体感する羽目になる。慣れてしまえばなんとでもないのかもしれない。しかし慣れていない内は新幹線がスピードをあげるほど、身体がシートに沈みこんでいき、肉体と魂(のようなもの)が分離していくような感覚に陥ってしまう。そしてその時はいつも、中学生のころに国語の教科書に掲載されていたアメリカ先住民の話を思い出す。それはアメリカの開拓者たちがアメリカ大陸を馬に乗って旅をする話で、彼らは旅のガイドとしてアメリカ先住民を雇っていた。そんな旅の途中で先住民たちは突然座りだし動かなくなってしまう。開拓者たちが話かけても、銃で脅しても、先住民たちは動こうとしない。ガイド無しに進むこともできず、開拓者たちが困っていると先住民はようやく立ち上がり、先に進もうとしたのだった。開拓者の一人がなぜあのような行動を取ったのかと聞くと、先住民は「魂が肉体に追いついていなかった」からだと言う。自分が動けるスピード以上の乗り物のって移動すると魂と肉体が分離してしまうので、彼らは魂が肉体に追いつくまで座って待っていたというのだ。実際にあった話かどうかは分からない。しかし、もしそれが本当であれば、車や電車、飛行機に乗っている僕らはいたるところに魂を置き去りにしていることとなる。魂とっては随分と迷惑な話だと思う。宇宙なんていってしまったら魂だって追いつくのを諦めてしまい、近場の飲み屋でふてくされているに違いない。
そういうストーリーを思い浮かべていると、新幹線は名古屋に到着する。そのころになるとようやくスピードにも慣れ、友人に買ってもらっていたディズニーランドのガイドブックを目を通しながら車中を過ごすことにする。
ガイドブックを読むまえに、インターネットでいくつかのディズニーランドに関するウェブサイトやブログを読んで驚いたのはアトラクションとショップの数の多さと敷地の広さだ。あまりの多さに名前を覚えることができないし、これを一日で回るのは不可能だと思った。しかし、人に聞いたり、ウェブサイトを読んでみると、そもそも一日で4つから5つほどのアトラクションに乗ることが限度だという。つまりは予め乗りたいものや参加したいものに絞って効率よく回らなければいけないのだが、これは初心者にはなかなか難しい。なぜなら、どのようなアトラクションなのかそもそも全く分からない。ガイドブックのテキストを読んでもいまいちピンと来ない。好きな作品やキャラクターがいればそれを目指せばいいのだろうけど、特に好きなキャラクターがいるという訳でもないので「ここに行ってみたい」というのがない。このままではウロウロして「あぁミッキーがいてはるわ…」だけで日が暮れてしまう。
だが、幸いにも同行してくれた友人たちは(熱心なディズニーのファンではないものの)ディズニーランドの経験者だった。(まず、この年齢になるとディズニーランド未経験者のほうが少ない)彼らはビッグサンダーマウンテンもスプラッシュ・マウンテンもスペース・マウンテンもエレクトリカルパレードも知っている。そして、ディズニーランドがどれほど混んでいて行列に並ばないといけないかを知っている。これは一度でも経験しないと分からない物事のひとつであり、未経験者との差は大きい。そしてガイドブックに載っていたファストパス。これは予約チケットのようなもので、アトラクション近くに設置されている発券機でファストパスを発行してもらうと、チケットに書いてある時間帯はほぼ並ばすにアトラクションに参加できる。なのでディズニーランドに到着してしなければならないことはとにかくお目当てのアトラクションのファストパスを手に入れるということだ。これは現在におけるディズニーランドの常識であるらしい。僕はファストパスという存在そのものを知らなかったので、それがいまいちどういうものでどういうシステムなのか、実際に行って手にするまで分からなかった。
世の中知らないことだらけであると実感しつつ、無事にディズニーランドを楽しめるのだろうかと心配になりつつ、新幹線は首都東京に向かって高速で東海道を駆け抜けていくのだった…。

(つづく)

2016-03-09 | Posted in danpen

ライター紹介

西出 元

Nomiru ディレクター、撮影、イラスト、会議中に腹が減ったと晩御飯へと促すことを主に担当。企画が進まない原因の一人。
ディズニーランドとUSJに行ったことがなく、それに対する憧れが高まっていき、ハードルが上がりすぎて逆に行けなくなっているが最近の悩み。
好きなお酒は辛口の冷酒。好きな肴は白子ポン酢。


同ブログのおすすめ記事