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ノミル編集長、ひとたんの日記です。

20161108 基準

ラーメンとカレーと人狼のことしか書かないひとたんです。
今日はラーメンネタです。
最近ちょこちょこ食べるラーメンがあります。
伏見、桃山御陵前駅の駅前の高架下のラーメン屋さんです。大中ラーメン。だいちゅうラーメンと読みます。
昔ながらの豚骨ラーメン。新味で魚系のスープもあるのですが、断然元味派です。
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この大中ラーメン、チャーシューのバラとロースを選べて、2切れ入りで630円。しかも、温泉卵とキムチがトッピング無料、とすごく安い。チャーシュー無しなら500円。僕は大盛りでバラロースのどっちも載せるやつで790円を頼んでがっつり行くことが多いですが。
安いからと、期待せずに食べると、完全に裏切られます。しっかりとしたとんこつスープは程よくとろみが出て旨味が詰まっています。麺はよくあるストレート麺ですが、プリッとしててスープとよく合います。うまし!

そして大ニュース。京都のBALの裏に、大中ラーメンが出店するらしいです。噂によると12/1オープン。これは素晴らしい。街中でこの味を食べれるなんて。

と、ここで少し心配というか、思うことがあります。
この味、街中のど真ん中で戦って、どこまで理解されるんでしょうか。
もちろん、ファンは確実に付くと思うので、経営は問題ないと思うのですが、どこまで流行るのか、というと、ちょっとわかりません。というのも、街中のラーメンって、味が濃いんですよね。味が濃いっていうのは、塩っ辛いという意味と、いろいろな要素が混ざっているという意味の二つの意味です。
大中ラーメンのように、しっかり煮出したとんこつのシンプルな旨さっていうのは、街中の味濃いラーメンに負ける気がするのです。シンプルな素材をしっかりと煮出して、それだけで勝負するっていうのは、コストもかかるし、パンチは強くならないし、難しいのです。だから、街中の数あるラーメン屋はいろいろな工夫をされて、ドロドロにしたり、焦がし味噌にしてみたり、トッピングを変えてみたり、するわけです。そして、塩っ辛くして、保険をかける感じ。
これに慣れてしまっていると、多分、みんなわからないと思うのです。

そもそも、味覚というものを僕は信じていません。全く。説明の無いものを食べて、原材料当てたりとか、できる気がしません。
新潟に旅行に行った時、新潟の地酒飲み比べセットみたいなものがあって、みんなでゲーム感覚で利き酒ごっこをしましたが、全然当たりませんでした。もちろん、一番差のあるものはわかったのですが、味が近いものはなんどやっても全然でした。(ちなみに、その利き酒をニシデハジメはできるのです!奴はやりますよ。)

ということもあって、味覚はいい加減で、脳との関係がすごく重要だと思っているわけです。でもこれは必ずしも悪いわけでは無いと思うのです。味がほとんど一緒でも、材料はどこそこで買って、何時間も煮込んで、、、と説明すると、すごく美味しくなるわけで、これは魔法です。僕は料理を出す側として、知識的な美味しさと、自分の味覚の範囲での美味しさの両面からしっかりと作ることを意識しています。
僕のカレーも、きっと近くの老舗の鳥屋さんの鶏ガラでスープ取ってます!って聞くのと、聞かないのでは味が変わると思います。悲しいかな、そういうものです。

ただし、ここに条件があると思います。
確かに、味覚なんていい加減なもので、わからないということが前提なのですが、それでも、「基準」があればある程度までは「わかる!」と思うのです。
この料理は、いつも食べてる「何か」よりも、どれくらい、どの方向に、どういう味か。「基準」がしっかりしていれば、これはできると思っています。
その意味で、出汁、スープに関して、月に二回くらい鶏がらスープをガチで取っている僕は、他の人とはスープに関して「わかる」はずだと思っています。とんこつでも鶏ガラでも、基本は一緒な気もしています。
なにせ、僕自身、この大中ラーメンの出汁の旨さは、鶏がらスープをよく取るようになった、この数ヶ月で「わかる」ようになったと自覚があります。二年前に初めて食べた時は、そこまでスペシャルな感じは感じ取れなかったな、と回想もします。確かに、わからなかったと思います。
(きっと、ニシデハジメは日本酒に関して、しっかりと基準が自分の中にあるのでしょう。そしてその基準は逐一変わるので、同じことが今日も来年もできるかというと、わからないのではないか、とも思います。)

というわけで、普段、街中の味の濃いラーメンに慣れている人たちは、多分大中らーめんを食べても、「美味しい」とは思っても、すごい!とまでは思わないような気がするのです。少なくとも、僕が思っているほどには、「わからない」と思うのです。

さて、ここまで何が言いたかったか、ポイントを書き出すと。
・味覚なんていい加減
・しかし「基準」があれば、味覚がいい加減かどうかは場合による
・スープに関して「基準」をしっかり持ってる僕は、スープはよくわかる
・僕がこれだけ思うんだから、大中ラーメンはめちゃうまい!!!

という感じで。ずいぶん、横柄な態度に見られるかもしれません。確かに横柄かも。でも、その横柄さは、自分の味覚がいい加減なものだ、という自覚からスタートしているものなので、皆さん、怒らないでください。

さあ、12月にBAL横にオープンしたら、皆さん食べに行きましょう!大中ラーメンでした!

2016-11-08 | Posted in hitogoto

ライター紹介

伊藤 仁

料理研究家。料理好きのふとっちょ。よくしゃべる。声がでかい。
好きなお酒は不老泉(赤ラベル)。好きな食べ物は豚の角煮。


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